京都・祇園祭ボランティア21
20周年 式 典 

式 次 第

1.開会の言葉
2.会長の挨拶                村山 忠彦
3.祝 辞
   (1) 京都府知事            田中 啓二
   (2) 京都市長              桝本 頼兼
   (3) 八坂神社宮司          森 壽雄
   (4) 祇園祭山鉾連合会理事長   深見 茂
4.表 彰
5。感謝の言葉                石野 行彦
6.閉会の言葉

*御祓い(八坂神社本殿)   ボランティアスタッフ、役員

故)伊住 政和 初代会長
■開会に先立ち「物故者への黙祷」が行われました。

日時 : 平成15年11月8日(土)16:00〜16:40
場所 : 八坂神社 常磐新殿 鳳凰の間(B1) 
司会 : 中井 敬二


■ 会 長 の 挨 拶 (村山 忠彦)
 1984年(昭和59年)故伊住政和初代会長の呼びかけで始まった私達祇園祭曳き手ボランティアの活動は本年で20周年を迎えることができました。
 長刀鉾と山7基で始まったこの活動も今年は山鉾合わせて20基、535名の参加者を数える大きな規模に発展してまいりました。これもひとえに山鉾連合会、各山鉾町の皆様のこの活動に対する深いご理解と、のべ8000名に達するボランティアの人々の御協力のたまものであると、改めて感謝を申し上げます。

 私達のボランティア活動の目的は山鉾を曳き、舁つぐことは言うまでもありませんが、それを通して祇園祭の歴史や、伝統文化、伝統行事を敬称していくことの大切さを感じることにあります。
 近年、社会環境の変化により、我が国古来の文化や行事がどんどん失われてゆきます。
古くさい、じゃまくさいという思いから永年続けられてきた行事がとり止められたり、優秀な技術が絶たれたりということが身の回りに多くあります。
そんな中にあって祇園祭は過去幾多の困難をのり越えて現在に至っています。それを思うとき先人達のこの祭にかける努力や心意気に感謝せずにはおれません。

 私達はこの祭の中に身をおくことで先人が私達に残してくれたこの素晴らしい文化・伝統を受け継ぎ後世に残す責任を体感して欲しいのです。そしてこのボランティアの経験を社会の一員として色々な場面で生かして欲しいのです。
社会に対する関心、地域に対する関心、家族(親子)に対する関心がだんだん希薄になっていく現在、この活動がこうした傾向にハドメをかける一助となりますよう、今後10年、更に20年、受け継がれていくことの責任を痛感する次第です。

■ ご 祝 辞
京都府知事 山田啓二様 (代行代読 竹内 賢樹出納長)

祝 辞

 京都・祇園祭ボランティア21が結成20周年を迎えられ、本日、多くの皆様のご参加により、このように盛大に記念式典が開催されますことを心からお祝い申し上げます。
 貴団体におかれましては、昭和59年に京都府青少年活動推進会議として発足以来、祇園祭の山鉾巡行のボランティア活動を通じて、京都の伝統文化と町衆の心意気を学ぶとともに、青少年の社会参加の促進と健全育成を目指して、京都の青少年活動のリーダーとして、日夜積極的な活動を進めて来られました。

 このような皆様方の活動に対して、本年6月の京都府開庁記念日に「交流・連携」の分野における先駆的か活動を顕彰する「新世紀かがやき交流賞」を贈呈させていただいたところであります。
 改めまして、この間の活動を支えてこられました初代会長の故伊住政和様、また村山忠彦現開庁様をはじめとする、歴代役員並びに会員、関係各位の皆様方の御苦労に対し、深く敬意を表しますとともに、心より感謝を申し上げる次第であります。

 さて、21世紀を迎え、少子高齢化や情報化、国際化の進展など社会情勢が大きく変化していく中で、長引く不況や雇用情勢の悪化、犯罪の凶悪化など、私たちを取り巻く環境はますます激しさを増しております。とりわけ青少年が加害者あるいは被害者となる誠に胸が痛むような犯罪が連発しており、今日、大きな社会問題となっております。

 このような時代において、皆様方におかれましては、日本の伝統文化の集大成ともいうべき祇園祭の山鉾巡行にボランティアとして参画され、もさに勝ちある日本文化の保存・継承と、地域コミュニティの醸成、そして、青少年の健全育成に並々ならぬ御尽力をいただいてきたところでありまして、重ねて敬意を表しますとともに、今後の更なる活動を心より御期待申し上げる次第でございます。

 京都府としましても、京都ならではの伝統文化の保存・継承や、人と人がつながり合い温かい交流を持てる社会の実現に向けて、京都市をはじめとする府内各市町村、関係機関・団体等と連携・協力しながら全力を挙げているところであります。
 皆様方にも、新しい時代を担う青少年が、地域の中で社会的に自立した個人として、心身ともにたくましく成長していけるよう、活動の中で培われた知識と経験を生かし、これからも地域において、より一層の御活躍をいただきますよう、お願いする次第でございます。

 結びに当たり、結成20周年という節目を迎え、新たな一歩を踏み出されました京都・祇園祭ボランティア21の今後一層の御発展と、本日お集まりの皆様方の御健勝と御活躍を祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

 平成15年11月8日
京都府知事 山田 啓二


京都市長 桝本頼兼様 (代行代読 河内  隆副市長)

祝 辞

 本日、ここに京都祇園祭ボランティア21創立20周年記念式典が、盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げます。
 この度、京都が世界に誇る祇園祭山鉾巡行を、永年にわたりボランティアとして支え、多大の御貢献をしてこられました皆様方に感謝状を贈呈させていただきました。また、貴会設立当初から活動を力強く牽引してこられました故伊住政和様には、たたえて尽きざる御功績により、表彰をさせていただいたところであります。

 さて、平安京の建都以来、日本文化の中核を担ってきた京都にあって、このまちに息づく豊かな文化力を示す伝統行事である祇園祭は、悠久の歴史の中で、脈々と守り続けられてきた、京都のまちと暮らしに欠くことのできない大切な歳事であります。その壮大にして華麗な山鉾巡行の姿は「動く美術館」とも称される、まさに曳き手と一つになってつくりだす一級の芸術作品であり、今年も、京都の夏を鮮やかに彩り、全国、更には世界中から訪れた多くの人々の心に大きな感動を与えました。
 しかし、昨今、経済の発展に伴う生活様式の変化や少子化による後継者不足など社会情勢が大きく変化する中、京都の伝統行事の保存・継承が大変難しくなっております。
 そのような状況の中、本日表彰並びに感謝状を贈呈させていただきました皆様方は、京都の貴重な文化と、それを守り続けてきた京都市民の心意気を、なんとしても途絶えさせてはならないとの熱い思いにより、祇園祭山鉾巡行に欠くことのできない曳き手を、ボランティアとして20年の永きにわたり任ってこられました。
 伝統ある祇園祭が、今日まで脈々と受け継がれて参りましたのも、祇園祭山鉾連合会をはじめとする関係者の皆様の御努力はもとより、京都祇園祭ボランティア21の皆様のあふれんばかりの熱意と気概に満ちたお取組があってのことであり、ここに深甚なる敬意と感謝の意を表する次第です。

 本市と致しましても、我が国は申すに及ばず世界の宝物というべき祇園祭を継承していくため、精一杯の支援を続けて参る決意でごじますので、皆様方には、山鉾巡行が末永く継承されますよう、引き続き御尽力賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、祇園祭山鉾巡行の保存・継承に格別のお力添えをいただいております村山忠彦会長をはじめ本日御列席の皆様方の御健勝と御多幸、並びに祇園祭山鉾巡行が将来に向かってますます輝きを増しながら発展いたしますことを祈念しまして、私の挨拶とさせていただきます。

 平成15年11月8日
京都市長 桝本 頼兼


八坂神社宮司 森 壽雄様

ご 挨 拶

 祇園祭曳き手ボランティア21の皆様の活動が二十周年を迎えられ、先ずもってお祝い申し上げますとともに、長い間にわたり続けてこられた情熱に対し敬意を表します。
  さて、祇園祭は"祇園さん"八坂神社の神を敬仰する祭礼で、多くの神事から成り立っており、山鉾巡行も含め決して「イベント」の類とは違うということです。その違いは神がいますか否かであります。
 信仰心があればこそ先人も如何なる困難をも乗り越え、そして今日に立派に引き継がれているのです。企画に飽きたから次々に変える、またはやめてしまうといったイベントとは根本的に違います。
 皆様はよくおわかりのこととは存じますが、新しいメンバーも次々に加わり活動を続けてゆかれる中で、今後のさらなる発展には「初心忘るべからず」も大切なことですから、今一度認識いただきたいと思う次第です。
 祇園祭曳き手ボランティア21の活動は、千年をゆうに越える歴史の一端を担っています。山鉾の重みは歴史の重みでもあります。
 誇りをもって今後の活動をさらに充実、継続していただきたく思います。皆様に活躍を期待しております。

 
八坂神社宮司 森 壽雄 様


祇園祭山鉾連合会理事長 深見 茂様

 ご 挨 拶

曳き手ボランティア創設二十周年、誠におめでとうございます。
 祇園祭山鉾行事が応仁の乱からの復興以降、まがりなりにも今日まで続いてこれましたについては、実はこの祭行事が任意の大衆参加の形態をとらず、町衆の独占的世襲制による運営を固持してきたからに他なりません。かれら自治組織の責任者たち、いわゆる旦那衆は祭の中枢業務、すなわち財務と運営を手中に握りながら、祭の執行に必要な他の諸部門の実務のほとんどは請負制に依存して参りました。この請負った各種の職人衆も次第に独占的世襲制をとるにいたり、それぞれが所属する町内や旦那衆との互いの結付きは祇園信仰を核として次第に強固なものとなり、江戸、明治を経てしょうわの初期まで維持されて参ったのです。鉾の曳き手や山の舁き手も、この請負集団の一つでありました。
 これらの集団が第二次世界大戦後の政治・社会・経済情勢の激変によって崩壊しはじめ、山鉾巡行自体も危機に瀕したとき、これを救済すべく澎湃として起こって参ったのが曳き手ボランティア運動でありました。ひろく社会奉仕の精神をバックボーンとするこの活動は、かつての請負集団のいわば現代版であります。発足以来二十年、ボランティアと町内の者らがボランティアの人々の祭執行に対する真摯な態度に刺激されて初心に還り、自らの姿勢を正すという現象さえ見られるほどであります。
 かくて、旦那衆の独占的世襲制を守る伝統維持の精神と、現代的奉仕精神との円満なる合体がここにめでたく実現した、と申せましょう。
 「京都・祇園祭ボランティア21」の皆々様に心よりお慶び申上げるとともに、今後とも御支援のほど、何卒宜しくお願申し上げます。


財団法人祇園祭山鉾連合会
理事長 深見 茂 様


■ ご来賓の紹介

京都府出納長                  竹内 賢樹様
京都市副市長                  河内 隆様
京都府労働部部長               東 昌司様
京都府労働部青少年課課長         花来 伸一様
京都市文化市民局局長            柴田 重徳様
京都市文化市民局文化部文化財保護課課長  石橋 了様
京都市教育委員会社会教育課課長        中永 健史様
京都市文化市民局文化部文化財保護課係長  図越 浩一郎様
八坂神社宮司           森 壽雄様
祇園祭山鉾連合会理事長    深見 茂様
祇園祭山鉾連合会副理事長  吉田 幸次郎様
祇園祭山鉾連合会副理事長  伊藤 祥男様
祇園祭山鉾連合会理事     岸本 吉博様
祇園祭山鉾連合会理事     品川 吉夫様
祇園祭山鉾連合会事務局    松田 良 様

■ 表 彰

【 京都府 】 
 *団体感謝状 (以下17団体) 
    代表:日本青年国際交流機構京都府支部様 (雨宮 章)

     (社)ガールスカウト日本連盟京都府支部様
     京都サイクリング協会
     (社)京都青年海外協力協会様
     (社)京都青年会議所様
     京都府モラロジー協議会青年活動推進委員会様
     近畿青年洋上大学京都府同窓会様
     車いすと仲間の会様
     (社)茶道裏千家淡交会総本部青年部様
     (社)茶道裏千家淡交会京都四支部青年部連合会様
     日本青年国際交流機構京都府支部様
     日本ボーイスカウト京都連盟様
     立正佼成会京都教会青年部様
     大日本スクリーン同好会様
     7.17友の会様
     B'CLUB様
     (株)京都銀行様
     (財)京都キリスト教青年会 YMCA様


 *個人感謝状
 (他15名)  
     代表:坂尻 仁彦様
         (故)伊住 政和様  村山 忠彦様
         仲 祥介様    和田 淳司様
         石野 行彦様   中井 敬二様
         林 肇様      楠 勝好様
         木村 安輝様   関根 秀爾様
         服部 晃佳様   村上 利行様
         長谷川 豊様   長谷川 鈴子様
         坂尻 仁彦様

【 京都市 】
 *個人表彰状 (故)伊住 政和  (代理 関根 秀爾)

 *団体感謝状(以下17団体)
    代表: (社)茶道裏千家淡交会総本部青年部様 (服部 晃佳)

    (社)ガールスカウト日本連盟京都府支部様
    京都サイクリング協会
    (社)京都青年海外協力協会様
    (社)京都青年会議所様
    京都府モラロジー協議会青年活動推進委員会様
    近畿青年洋上大学京都府同窓会様
    車いすと仲間の会様
    (社)茶道裏千家淡交会総本部青年部様
    (社)茶道裏千家淡交会京都四支部青年部連合会様
    日本青年国際交流機構京都府支部様
    日本ボーイスカウト京都連盟様
    立正佼成会京都教会青年部様
    大日本スクリーン同好会様
    7.17友の会様
    B'CLUB様
    (株)京都銀行様
    (財)京都キリスト教青年会 YMCA様

 *個人感謝状 
     代表:村山 忠彦 (他14名)
         仲 祥介様    和田 淳司様
         石野 行彦様   中井 敬二様
         林 肇様      楠 勝好様
         木村 安輝様   関根 秀爾様
         服部 晃佳様   村上 利行様
         長谷川 豊様   長谷川 鈴子様
         坂尻 仁彦様   村山 忠彦様


■ 感謝の言葉 (石野 行彦)

「感謝の言葉」

日本人の心の故郷でありますこの京都の地で、
昭和から平成というこの平和な時代に、

20年前、我々の良き友、故)伊住政和初代会長にお会いでき、
われわれを受け入れ、導いていただいた 故)田中常雄(連合会会長)にお会いでき、
そして、千年以上つづくこの伝統ある祇園祭の一端に触れさせていただいたこと、

20年の間、我々を見守りご指導いただきました
岸本伊藏、深見 茂の両
理事長をはじめとする祇園祭山鉾連合会の方々、
並びに、厳しくもはげまし、ご指導いただきました各山鉾町の方々に、

そして、忘れてならないのは、「晴れの日も」「雨の日も」「暑い日も」「寒い日も」
朝早くからご参集いただきました多くのボランティア同志の仲間と、
行動を共にした歴代の役員、スタッフ、関係団体・企業の方々に恵まれ、

そして、この良き日に、京都府、京都市から表彰状を賜り、
ご出席いただきましたみなさまと共に、20周年を迎え、
次の世代に、教え、受け継がせることのできる「日本人の大切なこころ」を見つけ、
持たせていただいたことに、
こころより感謝したいと思います。


平成15年11月8日
京都・祇園祭ボランティア21
監事 石野 行彦



■ 御 祓 い
式典終了後、八坂神社本殿にてボランティアスタッフ、役員で御祓いを受けました。


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